de:code参加者アンケートトップ!Microsoft澤円氏が語った「クラウド心配性な上司を説得するコツ」とは?

連載: de:code 2016 特集 (8)

5月23・24日の二日間に渡って開催され、大盛況のうちに幕を閉じた日本マイクロソフトの開発者向けカンファレンス「de:code 2016」。その参加者アンケートの総合点数で、134セッションの中でトップのスコアを獲得したのが、2日目の最終セッションに登壇した澤円氏のセッションだ。

澤氏のセッション、「クラウド心配性な上司を説得するコツを伝授します。本当に信頼できるクラウドの構築/運用とは~マイクロソフト クラウド成長の軌跡~」の概要をレポートする。


▲日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 澤円氏

クラウド心配性な上司を説得するコツを伝授

プレゼンで重要なのは、伝えたい内容をいかに伝言ゲームのように伝播させていくか。そう常日頃から断言している澤氏。今回伝えたい相手は、クラウド導入に納得してくれない上司である。どう伝えたら説得できるのか、参加者が会社に持ち帰ってそのまま話したくなるような情報とネタが満載のプレゼンスタイルでセッションは行われた。

セッションの構成は大きく「データセンター構築から運用まで」「データセンター構築中」「データセンター運用」の3つのシーンに分けて語られた。

【上司に提言】海外との通信に専用線は高すぎますよね?

Microsoftのデータセンター構築から運用まで一連のオペレーションは、Microsoft Cloud Infrastructure and Operations、略してMCIOと呼ばれる。データセンター構築の情報を漏らさないために、会議室の予約は別の部署の名前を使うなど、情報管理は徹底している。

データセンターの場所選定は、さまざまな条件を要する。まずは電源が確保できること。発電所の近くであり、さらには発電所が停電になったことも考えると二カ所に近いほうが望ましい。液体燃料の確保が必要なので、道路の選定もデータセンター設置の条件となる。

電源ケーブルは二重化するのは当然のこと、アメリカでは米国基地とネットワーク網を共有している。海底ケーブルへも大型投資を行っているという。海底ケーブル最大の敵はサメ。サメがかじっても切れないケーブルを用意しているという小ネタも披露された。

こうしたトピックをもとに、「自分だけの専用ケーブルを引いてるみたいだから、ネットワークも信用できるみたいですよ。うちの会社で海外との通信に専用線は高すぎますよね?自分の国にデータセンターを持っているし、グローバルにクラウドの話をしてくれるはず」と上司に提案するヒントを語る澤氏。

実は、日本にMicrosoftのデータセンターを置くことを決めたのはCEOのサティア・ナデラ氏だという。日本の地下ネットワーク網は世界最強と言われており、マイクロソフト専用線も複数本ある。さらにその徹底されたグローバル標準について、話を進める。

【上司に提言】ここまでの標準化ってできますか?

Microsoftは、Open Compute Projectへの参加をしている。これはFacebookやGoogle、Intel、rackspaceなども参加しているプロジェクトで、サーバーの内部設計がすべて公開されている。

組み立てられたサーバー、ラックは同じ品質・クオリティで世界に出荷され、100カ所以上、40か国以上・22リージョン以上(※現在も増加中)にラックの状態でデータセンターに納品される。徹底的な標準化で大幅なコストダウンを目指し、標準化スタイルを決めたらそれを貫く。データセンターでやることはほぼケーブル接続だけだという。

特徴的なのは、ラックが白であることだ。白にすることで明るくなるので、接続ミスを減らすことができるし、何より光の量が少なくて済む。空調も使わず、空気の流れで調節している。これらはコストカットにもつながる。そして、こうした対応は一切の例外を認めておらず、全世界共通に行われている。

「そうはいっても」とマジックワードを繰り出す上司がいたら、「うち、ここまでの標準化ってできますか?」そう上司に問いかけることを勧める澤氏。ダラダラと妥協を繰り返すことは、コストを増やすだけと指摘した。

【上司に提言】サーバールームのログ取れてます?

さらに徹底したデータセンター運用について説明する澤氏。人はミスする、機械は壊れるを大前提として、人の手を介さない「自動化」を徹底すべきだと語る。

白いラックの上には、むき出しのケーブルが設置されている。なぜなら下(地下)だと手元が見えないから。すべての行動は追跡され、不正がないように手元が見えない状態を作らない。すべてがモニタリングの対象になる。

不正があれば証拠が残るが、逆にやってなかった場合も証明になる。データが守られると同時に社員も守られているという。知っていることで事故が起こることがある。その可能性をMicrosoftは徹底的に排除している。

データセンターで働く人は情報を見る術を持っていない。サーバーの電源や物理層だけチェックしている。鍵の管理は別組織だ。壊れていたらラックごと交換する。

ハードディスクもデータセンターから生きて出ることはない。役目を終えたハードディスクは4つに分割されて、それぞれ別の国で処理される。時間と手間がかかることで、犯罪者もあきらめる。犯罪の余地を作らないのだ。

ここでの上司への質問は「誰が触ったかわからない状態ってこわくないですか?うち、サーバールームの出入りって全部ログ取れてましたっけ?」。顧客データと社員を守るため、という大義名分に反論できる上司はなかなかいないだろう。

【上司に提言】「日本の法律」に対応できるそうですよ

最近Microsoftが変わりだしたのは、CEOのサティア・ナデラ氏によるところが大きいというのはよく聞く話だ。だが、社長のBrad Smith氏が弁護士だということを知る人は少ないのではないだろうか。彼が大切だと考えているのは、セキュリティ・プライバシー・透明性・法令順守。これはMicrosoftが法を順守する会社であるということを意味すると、澤氏は言う。

さらにCOOのKevin Turner氏によるMicrosoftのコミットメントを披露。上司に「日本の法律にちゃんと対応できるそうですよ」と言える要素を紹介した。

【上司に提言】あの人たちやりすぎです

最後に澤氏は、海底に設置するデータセンター「Project Natick」を紹介。究極の水冷化とセキュリティを実現する取り組みでありつつも、「あの人たちやりすぎです」と自虐ツッコミで会場の笑いをとった。

人々を成長させるためのモバイルファースト、クラウドファーストに徹底的にコミットして世の中をよく変える。「未来を一緒に」つくるために、今できることを伝える努力を最大限やっていきたいと宣言し、セッションを終えた。

澤氏のセッションはMicrosoftの動画チャンネルchannel9で公開されている。澤氏のde:codeでのプレゼンを見たいという方はこちらからどうぞ!

  • クラウド心配性な上司を説得するコツを伝授します ~本当に信頼できるクラウドの構築/運用とは? マイクロソフト クラウド成長の軌跡~【動画公開中
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