堀裕司

車載もHTML5の時代!車載機器とWeb技術の融合に関する動きをウォッチする

昨今、コネクティッド・カーやスマートカーと言った、キーワードが注目されてきており、車載機器をインターネットに接続し、スマートフォンやタブレットなどのデバイスと連携する車が増えてきました。

特に最近では、自動車のAndroid化を目指す団体Open Automotive Allianceが発足。車載機器とWeb技術、IT技術の融合に関する動きが活発化して、注目度も上がってきています。

html5j自動車部とは

自動車部ロゴ

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html5j自動車部では、このような車載機器とWeb技術の融合に関する様々な動きを追いかけ、ウォッチすると共に、 車載機器に関するプロダクトの最新情報の発信、Webエンジニアと車載機器等の組み込み系エンジニアの方々との技術交流の促進に取り組んでいます。(html5j 自動車部始動!)

※本稿は2014年1月21日に行われた、html5j自動車部の2回目の勉強会のレポートです。

2014 international CESから見た自動車ICTトレンド

最初のセッションでは1月7日~10日にラスベガスで開催されたInternational CESの直後ということもあり、KDDI総研の平林氏から、2014 international CESから見た自動車ICTトレンドという内容でご講演頂きました。

セッションの前半は、自動車ICTトレンドについての発表。 セッションの後半は講演内容についてディスカッションが行われ、 和気あいあいとした雰囲気の中、皆で疑問や意見をぶつけ合っていました。

本セッションの内容と資料につきましては、諸事情により公開できませんので、このレポートでもざっくりまとめた内容となります。

そもそもCESとはコンシューマ・エレクトロニクス・ショーのことですが、昨今はテレビやオーディオだけではなく、自動車も主役になりつつあるようです。自動車とWeb技術の融合に力を入れている自動車企業が多く見られ、その一部の企業の発表内容のまとめと技術者視点での解説や疑問点を交えての発表でした。発表中にも質問が飛び交い、参加者の熱意が伺えました。

自動車メーカー・車載機器サプライヤの取り組み

専用タブレットを車載機器として設置するといった、スマートデバイスとの連携、ウェアラブルデバイス(腕時計、メガネ)との連携、音声認識やジェスチャーによる車載機器の制御。そして、スマートデバイスにHTML5のアプリケーションを載せる、といった取り組みを行っている自動車メーカーが多数ありました。

自動運転については、まだ課題が多いようで、取り組み自体は行っているが発表しているという企業は少なかったようです。

ディスカッション、質疑応答

ディスカッションは、セッション内容に触れない範囲で話題に上がったものをピックアップします。

  • 自動運転技術は実際のところはどうなのか?
  • やはり自動運転については注目度が高いと感じます。 自動運転の課題は、技術視点だけではなく、各国の法律の観点からも課題が多く、実現はかなり先になるのではないか。 まだ30~40年は先かもしれないという結論に落ち着きました。

  • 日本のメーカーは海外メーカーに比べ、情報の公開が少ない。日本のメーカーは世界に置いて行かれているのではないか?
  • 日本メーカーに対する期待度は高いと感じます。平林氏によると、日本のメーカーはゆっくりとだが、動いている。出だしが遅くても2年あれば巻き返せる自信があるのではないか。とのことでした。


    車載組込ブラウザの過去7年と今を40分でまとめてみる

    PCの世界で起きたことは、次にスマートデバイスで起きてから組み込み機器で起きると言われています。組み込み機器でもコンテンツ、ソフトウェア性能、ハードウェア性能もPCで要求されていたものに近づいてきていると予想されます。過去から現在まで、車載組み込みブラウザの世界ではどのようなことが起きていたのでしょうか?

    車載機器とWeb技術の中間に位置する車載組み込みブラウザの歴史について、株式会社ACCESSの渡辺氏から、車載組込ブラウザの過去7年と今を40分でまとめてみるという内容でご講演頂きました。

    • 車載組込ブラウザの過去7年と今を40分でまとめてみる(スライド)

    自動車部勉強会#2写真

    車載組み込みブラウザは7年使うことを前提に開発する

    車載組み込みブラウザは、車載器の新鮮さを保つために必要となります。7年間(車の買い替え期間の平均)使用することを前提に開発します。これは今も昔も考え方が変わっていないそうです。

    そして組み込み機器全般に言えることかもしれませんが、バージョンアップが容易に行えない場合が想定されるので、バグに対してもシビアで、高い安定性を要求されます。普段我々が使うPCやスマートデバイスのアプリケーションでは、バージョンアップせずに7年間同じバージョンを使用し続けることは、ほぼないと言っていいほどに稀だと思います。

    車載機器から見たHTMLの歴史

    HTML4の時代、HTMLは静的コンテンツを読むことがメインでした。今はHTML5時代となり、アプリケーションが動作するようになりました。 車載組み込みブラウザでも同様に、音楽・ビデオの再生、美麗なアニメーション描画など、HTML5に対応することが求められてきています。

    ブラウザの今のスライド画像

    車載機器OSの歴史

    昔は様々なOSでシェアの取り合いをしていました、それは車載OSでも同様で、グラフィックライブラリもメーカーが独自に作っているものが多く、ブラウザの移植は非常に大変だったようです。

    そんな時代から、今は組み込みOSもLinuxが主流になってきており、ライブラリも以前より増え、ブラウザの移植が簡単になってきているとのことです。そして、HTML5アプリケーションに対応するOSの開発も行われており、車載機器とWeb技術との融合が進んできています。

    車載機器のSoC(System on Chip)の歴史

    ソフトウェアだけではなく、ハードウェアも進化しています。SoCというCPUやGPUといった主要部品を1つにまとめたチップも、過去には様々なアーキテクチャがあり、ブラウザがギリギリ動作するといったスペックの状態から、現在では、高級車の車載ハードウェアはiPhone5Sと同等の性能を持ちます。アーキテクチャもARMに収束してきたようです。

    組み込み機器CPUベンチマーク

    組み込み機器CPUベンチマーク

    組み込み機器GPUベンチマーク

    組み込み機器GPUベンチマーク

    もう2、3年すると、現在のスマートデバイスと同等のハードウェア性能が一般的になるのではないか、とのことでした。スマートデバイスのアプリケーションが車載機器でも動く時代になったようです。Web技術者が車載機器向けWebアプリケーション開発を行うのも、そう遠くない未来かも知れません。

    車載ブラウザの歴史

    過去の車載ブラウザは、移植性、ハードウェアスペックや通信周りの制限により、快適なブラウジングというわけにはいかず、結果として、あまり使用してもらえなかったようです。現在の車載ブラウザは、これらの点をクリアしつつあり、車載もHTML5の時代となってきています。

    デモ

    現在主流である車載ブラウザのハードウェアでHello RacerのWebGL版を動作させるデモを実施しましたが、残念ながらうまく動作しませんでした。

    デモ機材

    デモ機材

    代わりに、ほぼ同スペックの機器で動作させるデモ動画を流して頂きました。デモ動画では非常に快適に動作している様子が見れます。渡辺氏は今後の勉強会でリベンジしてくれるそうです。

    次回予告

    昨今、HTML5アプリケーションやWebアプリケーションを実行するための土台がソフト、ハードの面でできつつあります。近い将来、Web開発者も車載機器向けのアプリケーションやコンテンツを作る未来が来るのではないでしょうか。

    次回は、アプリケーションを作るための土台である、車載プラットフォームOSについての勉強会を検討中です。お楽しみに!

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