2016年1月のブラウザニュースは、Safari 9.1のリリース、Firefox 44リリース、Chrome 48リリース、EdgeのJavaScriptエンジンChakraのオープンソース版「ChakraCore」についてお届けします。
Safari 9.1発表
iOS 9.3とOS X 10.11.4のベータ版が開発者向けに提供され、その中でSafari 9.1のリリースが明らかとなりました。
9.1では先月紹介したタップ時の350msの遅延をなくす仕組みや、CSS Custom Properties(CSS Variables)、font-feature-settings
プロパティとそれに関連する font-variant
系サブプロパティ、will-change
プロパティがサポートされるようです。
セキュリティや安定性向上のためのアップデートではない、マイナーアップデートは久しぶりです。Safariはこれまで、新しい機能の追加やバグの修正を年一度のメジャーアップデートでしか提供しておらず、開発者の不満を高めていました。ChromeやFirefox、Edgeほどを望む必要があるかはわかりませんが、9.1のようにエンジンのバージョンアップを含むリリースがもうすこしあるとうれしいですね。
Firefox 44リリース、Service Workerが有効に
1月26日にFirefox 44がリリースされました。
このバージョンでついにFirefoxでもService Workerが有効になりました。
CSSの unicode-range
デスクリプタがサポートされました。
開発者ツールではCSS Animationsのエディタが協力になりました。Chromeにもあるような、スライダーでアニメーションの状態を逐次確認できるようなUIがついています。
- Work with animations – Firefox Developer Tools | MDN
- Developer Edition 44: New visual editing and memory management tools ★ Mozilla Hacks – the Web developer blog
CSSアニメーションを学べるDevTools Challengerというサイトも、44がDeveloper Editionだった昨年11月ころから公開されています。アニメーションで動く深海生物を開発者ツールから操作するというチュートリアルです。
Chrome 48リリース、縦書きCSSの向上
1月20日にChrome 48がリリースされました。
このリリースで、CSS Writing Modesの接頭辞がとれました。Writing Modesについては昨年末のCodeGridで取り上げられています。
また、OpenTypeフォントの機能にアクセスする font-feature-settings
も接頭辞がとれました。Safari 9.1の公開も近いようなので、接頭辞まわりがだいぶすっきりしますね。
ChakraCoreが公開
12月分で取り上げた、EdgeのJavaScriptエンジンChakraのオープンソース版「ChakraCore」ですが、1月13日に公開されました。
ロードマップも公開されています。JITなしでUbuntuでもまず動かせるようにするとか、WebAssemblyへの対応、Async FunctionをECMAScript仕様に持っていくといったことが書かれています。
一週間後には、ChakraCoreをNodeのエンジンにするべくPull Requestが投げられました。
JavaScriptエンジンの競争がさらに盛んになってきそうですね。