2015年5月26日から、マイクロソフトが主催するエンジニア向けカンファレンス「de:code 2015」が開催中です。 2日間に渡るカンファレンスでは、開発者向けのセッションがてんこ盛り。 この記事は、基調講演レポートの後半です。
Microsoft Azureの話題が中心だった前半(レポート記事)とは対照的に、後半はWindows 10やHoloLensなど、コンシューマ向けプロダクトの紹介が主でした。 よって、内容が派手!見栄えのするデモや、ぼくらが大好きなコードの話も出てきて、見どころ満載でした。
ジョ〜〜!!!
「前後半の合間に、ちょっとした息抜きをしましょうか。Power BIの勉強でもしましょう」って言われた時は「えっ」という気持ちでいっぱいでしたが、フタを開けてみると本当に息抜きのコンテンツでした。
次の登壇者である「Giorgio Sardo」(ジョー)さんの名前を観客が全力で叫び、その音量を視覚化するというもの。 何やらせんだ。
で、ジョーが出てきました。
Windows 10で、目指せ10億台!
話題はもちろんWindows 10です。 Windows 10は、「巨大なターゲット市場」「スマートエンゲージメント」「One Store & Dev Center」「統合された開発プラットフォーム」という特徴を備え、大きなチャンスを生み出すと言います。
巨大なターゲット市場
この画像で言いたいことは、「Windows 10はスゲエよ!10億台のデバイスを繋げるんだ!儲かるぜ!」ということ(超意訳)。
スマート エンゲージメント
あらゆるデバイスを統合した通知機能や、Cortanaによるインテリジェントな検索により、アプリケーションとユーザの接点をより緊密なものにします。
(Windows 10がどこでも動くから)Windows 10アプリは一度書けばどこでも動く!HoloLensでも!
Windows 10の目指す所は、あらゆるデバイスに対して一つのOSという「One Windows」というビジョンです。 それにより当然ながら、アプリストアも一つに統合されます。
そうなると、「一つのアプリがあらゆるデバイスで動作する」必要も出てきます。つまり、あらゆるスクリーンサイズで動作する…レスポンシブであることが望まれる ということです。 レスポンシブなWindows 10アプリの例を、楽天のポータルアプリ「楽天Gateway」で実演。
あらゆるデバイスを統合するプラットフォームとしての、Windows 10のデモはまだまだ終わりません。 この画像が、マイクロソフトさんの言いたいことをよく表しているように思います。
こんなすごい3Dマップも…
一行書くだけで実現できます。
こういう、3Dモデルを作れるアプリも…
HoloLensがあればホログラム化!これはすごい!
Edgeの話も忘れずに
Webエンジニアとしては、最近一番ワクワクする話題だった「Microsoft Edge」の発表。 もちろんこの基調講演でも大きく扱われていました。
EdgeHTMLという新しい描画エンジンにより、4,200以上の相互運用性を改善したそうです。
もちろん、JavaScriptの実行速度を向上させるのも忘れません。
Edgeの大きなウリをMicrosoftさん自身でまとめるとこうなります。 「定期的な更新」っていうのが個人的には一番ツボです(IEは後方互換性の問題があって、これができなかったからなあ…)。 あと、ChromeやFirefoxの拡張機能が(ちょっとした修正で)動くと噂の、「新しいエクステンションモデル」も気になります。
新機能「Hosted Web Apps」は、WebサイトをそのままWindowsアプリにしてしまえる機能。
こんな感じのフライトシミュレーターアプリ(Webアプリ)も…
っと、デモを本格的にやる前に、プレイヤーとしての心の準備。 (最近のMicrosoftさん、エンジニアが好むゆるい雰囲気をよくよくわかってらっしゃる)
Windowsアプリにしてしまえば、よりネイティブな機能を利用できるので、Microsoft Bandと連携して飛行機を操縦…なんてこともできちゃう。
IoTも!機械学習も!
見どころ多すぎて、書くの疲れてきたんですが、まだまだ行きます。
Windows 10をIoTに対応させる動きも活発ですが、Minnowboard MaxとRasberry Pi 2ですでに利用可能です。
なんか偉い人らしいんですが、コスプレして出てきました。
これは何のデモかというと、富士通と共同で開発した「牛管理アプリ」だそうで(コスプレしてた偉い人は「Connected Cow」という札を下げてました)、牛にセンサーを付けて集めたデータを、Azure Machine Learningを使って機械学習&統計出力していました。なんでもありだな、マイクロソフト。
スクエニ来た!なんかすごいデモや!
そろそろ最後の山場。
Windows 10のゲームとグラフィックの機能をプレゼンする段になり、スクウェア・エニックスの第2ビジネス・ディビジョンから田畑 端氏がいらっしゃいました。
発表はふたつありました。
ひとつは「FINAL FANTASY AGITO on Windows 10」。
もうひとつは、Windows 10に搭載されるDirectX 12、そしてNVIDIAも巻き込んで開発された、アートとテクノロジーを融合させたデモンストレーション。
このクオリティの3D CG(髪の毛の本数も、実際の人間と同じだそうです)を、リアルタイムに視点移動させることができます。思わず会場からはため息が漏れました。 これは、動画見ないと伝わらないかも…。
ってことで動画貼っておきますね!
すべてのエンジニアとアプリのために
基調講演の最後は、MacやLinuxでも動作することで話題になった「Visual Studio Code」や、Dockerを一例としてオープンソースコミュニティへの貢献を拡大させていることなど、Microsoftの開発者に向けた取り組みが、Windowsに囲い込もうとしていた以前とは全く異なることへの言及でした。
「Empower every engineer」(すべてのエンジニアに力を与える)というフレーズは、このキーノートで一貫して取り上げられていましたが、聞いていたぼくとしてはその本気度が十分に伝わる内容でした。この記事を読んでいらっしゃる皆様にも、その雰囲気が少しでも伝われば幸いです。