佐川 夫美雄

Webエンジニア必見!AngularとTypeScriptが大規模開発の未来を変えるーng-japan 2015

連載: ng-japan 2015 特集 (4)

この記事は、Angularをテーマとした日本初のカンファレンス 「ng-japan」のイベントレポート(第4回目)です。

はじめに

昨年秋に、Angular 2はAtScriptというaltJSで開発するといったアナウンスがありました。しかし、今年3/5に急遽、Angular 2はTypeScriptで開発するという変更がなされました。このニュースはGoogle社とMicrosoft社が手を結んだということでも大きなニュースになり、今年一番の出来事かもしれません。

そのTypeScriptとカレントバージョンであるAngular 1.3を利用した開発ポイントを、株式会社トップゲートのエンジニアであり、TypeScriptマスターでもある@vvakame氏に講演していただきました。

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TypeScript+Angular 1.3 – vvakame

AtScriptからTypeScriptに移行される旨がアナウンスされたため、TypeScript自体の話を少しと、現行のAngular 1.3とTypeScriptを組み合わせて開発する方法についてお話します。

「AtScriptの近況と将来」の話をしようと思いましたが、3月頭に必要なくなったようなのでタイトルを変えました。「TypeScript+Angular 1.3」というタイトルでお話させていただきます。

Angularを取り巻く開発言語

ECMAScriptとは

ECMAScriptに関して整理します。

  • JavaScriptの元となる仕様のこと
  • DOMの仕様は入っていない
  • 最近のブラウザはECMAScript 5をサポート
  • そろそろ6の仕様が確定(現在RC2

AtScriptとは

AtScriptとは何だったのかを振り返ってみます。

  • AtScript=ES6+A (A=Annotiosion, AnnotationはES6に含まれない)
  • Super set of TypeScript

AngularチームがAngular 2を開発するために策定したTypeScriptより、優れているaltJSということでした。

TypeScriptとは

では、TypeScriptの特徴はどういうものかを整理します。

  • TypeScriptはJavaScriptを拡張した言語
  • 静的型付け
  • ECMAScript6規格の文法を取り込み中
  • 読みやすい変換後JavaScript
  • Java, C#とかにやさしい言語仕様

TypeScriptは、Microsoftが出してきたということで当時注目されました。特徴の一つである静的型付けの特徴をまとめます。

  • 静的解析で多くの整合性検証が可能
  • 不整合があった場合、コンパイルエラー
  • 大規模、大人数になるほど有利
  • Java, C#が有名

通常のJavaScriptでは、バグに関して実際に動かしてみて初めて分かりますが、TypeScriptのような静的型付けを用いると、静的解析でより多くの整合性検査が可能です。なるべくコンパイルした段階で、エラーが出力されるところが良い点の一つです。

例えば次の文はエラーになります。

TypeScriptは、ECMAScript 6のスーパーセットになると考えられています。既存の資産を活用したいという要望も当然あります。そうした要望を満たすため、TypeScriptに様々なJavaScriptライブラリの型を定義した型情報を用意する必要があります。例えば、次のようなものがあります。

  • jQuery
  • Angular
  • mocha
  • etc

DefinitelyTyped

型定義ファイルというものがあります。現在は1,000個以上あります。既存JavaScriptに型を後付けというのはわかりづらいとは思います。

Angularの例を見てみます。

実際にこれを使ってコードを見てみます。JavaScriptとあまり変わりがないので読みやすいのではないかと思います。

Angular 2とTypeScript

2015年3月5日に、Angular 2はTypeScriptで作ることになるという記事が出てきました。AtScriptからTypeScriptに変えた理由がいくつかあり、AngularチームとTypeScriptチームの調整がうまくいったのではないかと考えられます。

  • TypeScriptに必要な機能が入る
  • Angularチームが作りたいのは、AtScriptではなくAngular本体である
  • TypeScriptのスーパーセットを作るのが困難

TypeScriptのスーパーセットを作るという話でしたが、TypeScript自体の開発スピードがかなり早く、しかもその間にECMAScript 6の仕様も出て、短期間の内にAtScriptを開発するためには、人的にもコスト的にも難しい状況だと考えられます。

話をまとめると、Angularを使うという観点からも、今からTypeScriptを使う必要があると言えます。

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TypeScriptのSyntax

TypeScriptの独自Syntaxはあまりなく、JavaScriptとそれほど変わるものではありません。TypeScriptですが、だいたい2日もあれば書けるようになると思われます。

Type Annotations

Type Annotationsを具体的に見てみます。

Classes

ECMAScript 6からは、クラスの宣言ができるようになりました。TypeScriptの例を見てみます。

Interface

TypeScriptで定義したInterfaceは、実行時には消えてしまいます。型だけの定義です。

Allow Functions

Allow Functionsは、最近話題になっています。メリットとしては、functionというキーワードが必要なくなるところです。これはECMAScript 6でも標準化されますので、TypeScriptを通して今のうちから慣れるのもよいかと思います。

internal modules

今までのJavaScriptでは、モジュールの定義するというのは存在していませんでした。TypeScriptではモジュールが定義されています。今は過渡期でこうした書き方ですが、ECMAScript 6だと書き方があるので、なくなると思われます。

Generics

Genericsは非常に便利です。

はじめてみよう – Angular-typescript

@vvakameのgithubにあるので是非見ていただき、TypeScriptを始めてもらえたらと思います。

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開発する際、利用するツールは次の通りです。

  • node.js
  • grunt
  • bower
  • TypeScript ** tslint ** typedoc ** dtsm (tsd)
  • LESS
  • unit test ** mocha ** power-assert
  • karma
  • protractor
  • その他

Angular 1.3と組み合わせる

あまり考えなくてよく、TypeScriptと重ねることは特別なことはないです。TypeScriptはJavaScriptの延長線上にあり、JavaScriptのベストプラクティスがそのまま利用することができます。

その中で覚えなければならないのは

  • 型の名前
  • 使いたいメソッド(angularのドキュメントを読むより型定義ファイルを見たほうが早い)
  • 使いたいDIオブジェクト名

その中で次のことに注意すれば、問題なく記述することができます。

  • tsc –noImplicitAny
  • 型注釈を書く

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プレゼンテーション資料

今回取り上げたプレゼンテーションの資料は、以下のとおり公開されています。合わせてご覧ください。

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セッション動画

当日のセッションはYouTubeで公開されています。是非ご覧ください!

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