今回の記事は前編です。後編はこちら
編集長の白石です。本日はマイクロソフトの開発者向けカンファレンス「de:code 2017」にお邪魔しています。 今回は、その基調講演前半の模様をお伝えします。
イントロダクション – インテリジェントなクラウド、インテリジェントなエッジ
まず、基調講演は、伊藤かつらさんのスピーチから始まりました。
テクノロジーがあまねく社会に影響を与えつつある現在、開発者には大変なチャンス(Oppotunity)が巡ってきている。一方で、開発者の責任(Responsibility)も大きくなってきている。開発者がどんな技術を選んで使用するかは、以前に比べるとその重要度は遥かに増している。
そんな中、マイクロソフトは以下に示すような不変の価値と原則を信じている。
これらの原則は、マイクロソフトのミッションにもそのまま繋がっている。
そしてここ数年、「モバイルファースト」と「クラウドファースト」を掲げて、マイクロソフトはビジョンに邁進してきた。
そして今、マイクロソフトが掲げるビジョンは以下のようなもの。インテリジェントなクラウドと、インテリジェントなエッジからなるコンピューティング。
AI@Microsoft
そして次に登壇したのは Steven “Guggs” Guggenheimer氏。 「AI@Microsoft」と題して、マイクロソフトのAIに対する取り組みを広く紹介します。
マイクロソフトの考えるAIは、人間の創造力を豊かにするものだとします。
そこでまず登場したデモは定番の「りんな」。
で、いつものりんなの話で終わるのかと思いきや、なんと先日、期間限定で俺様キャラの男子AIも公開していたそうです。 名前は「りんお」。ベタですね(笑)
そして話は画像認識技術の発展から、マイクロソフトが提供するコグニティブ・サービスを俯瞰する流れに。 特に、コグニティブ・サービスの様々なカテゴリー上で「Custom」を冠した様々なサービスをリリースしたとのこと。 図にもありますが、「Custom Vision Service」、「Custom Search Service」「Custom Speech Service」、「Custom Search」「Custom Decision Service」などです。
例えば、画像から植物の名前を割り出すというアプリであっても、Custom Vision Serviceを使えば簡単に作成できるとのこと。
そしてAIの話題になると必ず登場するのがチャットボットの話題。ボット開発を促進する、Bot Frameworkの話題も当然上がります。
そしてボットと言えば、やり取りをする中で、画像やインタラクティブなフォームなどを含む、リッチなカード型UIが使われることが増えてきています。
JSONでカード内容を定義するだけで、様々なプラットフォームに対応したカードを簡単に作成できる「Adaptive Cards」も、オープンソースで提供しているとのこと。
Azure + AIの組み合わせにより、AIを全ての開発者にとって使いやすいものに。
Preferred Networksとの協業が発表!
そして、Preferred Networksとの協業が発表されました。
登壇した Preferred Networksの西川 徹社長は、同社がオープンソースで開発中の「Chainer」がAzure上で簡単に利用できるようになったこと、この協業によって深層学習の技術をより身近にし、技術者の育成にも力を入れていく狙いがあると語りました。
その後、Microsoft Translatorのデモや、実用を想定したと思われる保険問い合わせへのデモ(チャットボットから人間のオペレーターへのスムーズな引き渡しや、顧客の解約確率の予測など、大変面白いものでした)などを公開し、マイクロソフトのAIへの取り組みが本物であることが十二分に伝わるプレゼンテーションで、基調講演の前半は終了しました。
MicrosoftのAIへの取り組みは microsoft.com/aiから見ることができます。
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