(白石俊平と) カッコいいやつら 番外編 『スタートアップのススメ』「HTML5 Conference2013」レポート

「(白石俊平と) カッコいいやつら」は、「HTML5 Experts.jp」編集長、白石俊平氏が2013年に始めた「対談エンターテインメント」だ。本セッションはその番外編。「スタートアップ」をテーマに、技術者としても起業家としても著名な3人が語り合った。

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何をやる? 誰とやる? どっちが先でも大丈夫

白石:僕は元Javaの業務系エンジニアで、最初に起業したのは28歳の時です。皆さんはどんな経緯で起業したんですか?

足立:僕たちは2011年頃に3Dプリンタに注目しました。ちょうど海外ではやりだした頃で、僕もCEOも使ったことがあったんです。でも実際に起業するまで、1年ぐらいかけて違うビジネスをいくつも検討しました。最終的には自分たちが「面白い!」と思うか、大きく成長して大きく社会に貢献できるかが決め手でした。

徳井:僕はまったく逆のパターンですね。メキシコ人のパートナーと「何か面白いプロジェクトをやろう」と言っていて、その中で出てきたアイデアをもとに、いきなり「unda」のプロトタイプを作っちゃったんです。それをシリコンバレーの投資家に見せたら、「来週、シリコンバレーに来られないか?」って言われて。すぐに会社を作って、翌週の水曜日にはもうシリコンバレーにいました。

そのとき言われたのが、とにかくアウトプットしろ、ということ。リリースして、フィードバックをもらって、ブラッシュアップする…そのサイクルを早くすることでよいものが生まれるんだ、アイデアの良し悪しじゃないと。だから今も、1~2週間に1回のペースで、新しいサービスをリリースしています。

山下:僕の場合、最初に起業したときは産官学連携のプロジェクトでした。大切にしているのは、「何をやるか」ではなく、「誰とやるか」です。というのも、最初に思いついたビジネスが必ずしもうまくいくとは限らないですから。

徳井:確かに、シリコンバレーに着いてすぐ、メキシコ人のCEOとデザイナーが大ゲンカして、結局デザイナーが帰ってしまった…ということがありました。

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起業しても、貧乏したり借金したりしなくていい

白石:起業したら貧乏になるのでは、倒産するのではと懸念している人が多いと思うのですが、実際はいかがですか?

足立:自分の給与は、ある程度余裕のある金額に設定した方がよいと思います。資金調達によって億単位の出資を得られますから、自分の給与を月額100~200万円に設定しても、年間では調達金額の約10%にすぎません。

徳井:僕は「AngelList(エンジェルリスト)」という、起業家とエンジェル投資家をつなぐSNSを使って常に投資家にアプローチしています。投資家と出会い、交渉して、資金を振り込んでもらうところまでオンラインで完結できるサービスです。だから、実は今のリードインベスター(ある企業に投資する中心的な企業・人物)とは、会ったことすらありません。

山下:僕は「あと何カ月で、この会社は死ぬのか」を計算して、常に頭の片隅に置いています。資金調達については、自分たちの「ちょっと先のステップにいる」経営者に、どんな条件で、いくら調達したのか話を聞くといいですね。

徳井:お金のことはわからない…という方は、お金のことをよくわかっているパートナーと起業するといいですよ。僕もそうだったので。

山下:仮に倒産しても、エンジニアの場合、自分さえ優秀なエンジニアでいられれば大丈夫。いつの時代も、世の中は優秀なエンジニアを放っておきません。

徳井:その通り。失敗したら、今やっていることにまだ戻ればいいだけ。だから、怖がらずに自分のアイデアを世の中に出すことにチャレンジしてほしいですね。

足立:もちろん、サラリーマンも悪くないですけど(笑)!

(レポート:石川 香苗子/撮影:斉藤和佳子)

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